
特定技能1号の義務的支援には、支援責任者または支援担当者が、外国人本人およびその監督をする立場の人(上司など)と、それぞれ3か月に1回以上の定期面談を行うことが含まれます。面談は本人が十分に理解できる言語で行い、法令違反を把握した場合は行政機関への通報までが一続きの義務です。 定期届出が年1回になった後も、この面談頻度は変わっていません。
面談は義務的支援10項目の中で最も「終わりがない」業務です。人数×年4回以上、本人と監督者の両方。この記事では、面談を回し続けるための工程と、記録の残し方を整理します。
面談の目的——「聞く」ではなく「気づく」
定期面談の制度上の目的は、労働条件や生活状況に問題がないかを確認し、法令違反があれば把握することです。賃金は契約どおり払われているか、労働時間は適正か、生活に困りごとはないか、ハラスメントはないか。
ただ、質問リストを読み上げて「問題ありません」を集める面談は、形は満たしても目的を果たしません。技能実習の実習生面談と同じで、本人が話しやすい状態を作り、言葉になっていないサインに気づくことが面談の価値です。本人と監督者の両方に面談する設計になっているのは、双方の話のずれから問題を見つけるためでもあります。
回し続けるための3つの工程
① スケジュール——人数×頻度×2系統の管理
面談は人ごとに3か月の期限が走ります。10人受け入れていれば、本人10件+監督者側の面談が、それぞれ別のタイミングで期限を迎えます。期限管理が個人の記憶に依存していると、抜けはここから生まれます。誰の面談期限がいつか、前回はいつ実施したかは、担当者の記憶ではなく仕組みで持つべき情報です。
② 実施——聞くことの型と、型から外れる余白
面談で確認すべき項目(労働条件、生活、健康、相談ごと)は型にしておき、毎回同じ観点で聞く。同時に、型の外の雑談から本音が出ることも多いため、時間の余白を残す。型は記録の比較可能性のため、余白は気づきのためにあります。通訳を介する場合は、通訳の手配も含めてスケジュールの一部です。
③ 記録——その日のうちに、様式に沿って
面談記録は、後から3つの場面で参照されます。次回の面談の前(前回何を話したか)、年1回の届出の集計時、そして問題が起きたとき(いつから兆候があったか)。この3つの場面に耐える記録の条件は単純で、その日のうちに、決まった様式で、具体的に書くことです。1週間後にまとめて書く記録は、細部が失われ、「特に問題なし」に均されていきます。
記録が「特に問題なし」だけになる構造
面談記録の質が落ちる原因は、書き手の怠慢ではなく時間の構造にあります。面談を終えて次の予定に向かい、記録は後回しになり、記憶が薄れた頃に書くから、書けることが「特に問題なし」しかなくなる。
これを崩すには、記録の作成を面談の直後に置けるだけの軽さが要ります。話した内容のメモや音声から記録の下書きが起き上がり、人は確認と修正だけをする形なら、面談から記録までの距離が縮まり、記録に具体性が残ります。
どこまでを機械に任せ、どこからを人がやるべきか
機械に任せてよいのは、面談の前後の作業です。 期限の管理と面談予定の組み立て。前回までの記録を面談前に1枚で見える形にすること。面談メモや音声からの記録の下書き。届出様式への集計。
人がやるべきなのは、面談そのものです。 表情を見る、間を読む、監督者の話と本人の話のずれに気づく、通報すべき事案かを判断する。ここは制度が「支援責任者等が行う」と定めているとおり、人の仕事です。
面談記録の実物を見てみるには
ヒアリング内容から起草された記録がどんな形になるのか、人が確認する箇所はどこか。Ristaでは実際に起草した記録のサンプルを入力不要で公開しています。起草サンプルでご確認ください。


